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【作品解説】アンリ・ルソー「岩の上の少年」

岩の上の少年 / Boy on the Rocks

岩山と同じ大きさの少年の絵


アンリ・ルソー「岩の上の少年」(1895-1897年)
アンリ・ルソー「岩の上の少年」(1895-1897年)

概要


作者 アンリ・ルソー
制作年 1895-1897年
メディウム 油彩、キャンバス
サイズ 55.4 × 45.7 cm
コレクション ナショナル・ギャラリー(ワシントン)

「岩の上の少年」は、1895年から1897年ごろにアンリ・ルソーによって制作された油彩作品。55.4 × 45.7 cm。ナショナル・ギャラリー(ワシントン)所蔵。

 

岩というよりも岩山に座っている少年の絵。少年の背景は雲ひとつなく澄み渡った空が広がっている。少年は黒マントと黒ブーツを着ており、その下に黒と白のパジャマのようなストライプのズボンとシャツを着ている。表情は少し微笑んでいるが、口は閉じており、全体的に自信のある堂々とした表情をしている。

 

遠近法は完全に無視し、消失点がかけ、少年はあまりに巨大に描かれており、少年の大きさは岩山と同じになっている。しかし、素朴派であるルソーにとっては、そのような欠点を指摘しても意味がない。ルソーの作品は「幻想的な詩の世界」や「夢のような力」を描いてものなのである。

 

美術評論家のニコラス・ポシェーは、この作品について「子どもだけがそのように簡単に世界をまたぐことが可能で、子どものようにシンプルで素朴なビジョンを持った芸術家だけがこの気高さを理解でき、また鑑賞者に自らの真のビジョンを押し付けることができる。」とコメントしている。