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【美術解説】ダイアン・アーバス「一卵性双生児」

一卵性双生児 / Identical Twins, Roselle, New Jersey, 1967

アーバスのビジョンを総括する写真作品


概要


《1967年ニュージャージ州ローゼルの一卵性双生児》は、1967年にダイアン・アーバスによって撮影された写真作品。

 

ダイアン・アーバスは社会の末端に存在するアウトサイダーな人々を撮影することで知られている。彼女はよくローライ製の中判二眼レフカメラを使って、ウエストレベル‐ファインダー形式の正方形写真を撮影していた。

 

アーバスにとってこの撮影方法は、標準的な目の高さのビューファインダーとは異なる方法で被写体に接触するのによかったという。

 

本作品はコーデュロイ製のドレスを着て、白タイツを履き、黒髪に白いヘアバンドを付けて並んでいる一卵性双生児の双子の少女(キャサリン&コリーン・ウェイド)の写真である。2人ともカメラを正面からじっと見つめているが、1人は少し微笑んでおり、もう1人は眉をひそめている。

 

この写真作品はアーバスのビジョンを総括する作品だとされている。伝記作家のパトリシア・ボスワースによれば「彼女はアイデンティ問題に悩んでいた。私はだれ、あなたはだれ?と。この2人のイメージはそのアーバスのビジョンの核心で、異常性の中の正常、正常の中の異常性を表している」という。

 

服や髪型の均一性などによる彼女らの極端な親密性を強調しつつ、同時に顔の表情においては、個々人が強く個性を強調している。アーバスは双子や三つ子のクリスマスパーティで、当時7歳だった彼女たちを発見したという。