ストリート・アートは公共的な場所で制作された視覚芸術で、伝統的な美術館やギャラリーなどの会場の外で展示された非認可の公共芸術作品のこと。「グラフィティ(落書き、いたずら書き)」と同じ扱いとみなされている。 しかし、これらの芸術様式は芸術業界において、「独立公共芸術」や「ネオ・グラフィティ」、「ポスト・グラフィティ」と呼ばれ、アーバンアートやゲリラ芸術と密接に関連しているとみなされるようになっている。 ストリート・アートで使用される一般的な芸術様式やメディウムは、スプレーペイント、落書き、ステンシル、違法ビラ、ステッカーアート、ストリート・インスタレーション、彫刻である。 21世紀に入り、これらの表現形式のほかにライブ・パフォーマンスとそれをスマホやウェブサービスで配信する動画を利用したストリート・アートや、ヤーン・ボーミングと呼ばれる毛糸で覆われた彫刻も増えている。

キース・アレン・ヘリング(1958年5月-1990年2月16日)はアメリカの芸術家。おもに1980年代のニューヨークのストリート・カルチャーから発生したポップ・アートやグラフィティ・アートの中で活躍したことで知られる。 ヘリングはニューヨークの地下鉄内で自発的に描いたグラフィティ作品を通じて人気を集めた。黒い広告大の背景にチョーク・アウトライン形式(犯罪現場で被害者の位置を書き記しするための線)のシンプルな絵画が特徴で、よく描くモチーフは「Radiant Baby(光輝く赤ん坊)」「円盤」「犬を象徴するもの」などである。 ヘリングの絵画は「多くの人が認知しやすいビジュアル言語」の要素があり、また後期作品においては政治的、社会的なテーマ、特にホモセクシャルやエイズなどのテーマが含まれるようになった。ホモセクシャルやエイズはヘリング自身の象徴でもあった。

『ピンク色の仮面をつけたゴリラ』は2001年にバンクシーによって制作されたグラフィティ作品。初期作品のなかでも最も有名な作品の1つである。 彼の故郷であるブリストルにあるソーシャルクラブで描かれた、特に政治的なメッセージ性のないシンプルなグラフィティ作品である。描かれて約10年以上、この地域のランドマークとして知られていた。

マルセル・デュシャン(フランス生まれ:1887年7月28日-1968年10月2日)は、フランス生まれ、晩年にアメリカに帰化した画家、彫刻家、チェスプレイヤー。 デュシャンはダダイスムの情報誌の編集をしたり、《泉》のようなコンセプチュアル・アートを発表して、ダダイスムとは深い関わりがあったものの、活動詳細を調べるとダダ・グループの正式なメンバーではなかったと考えられている。デュシャンはダダイスムが標榜した「反芸術」ではなく「無芸術」だと言っている。 また多くのシュルレアリストとコラボレーション活動をしているためシュルレアリストと扱われることもあるが、ブルトンのシュルレアリスム・グループへの参加招待は断っている。 そうした面から、現在のデュシャンの美術史的な位置付けは、パブロ・ピカソ、アンリ・マティスらと並ぶ、20世紀初頭の造形美術において革新的な発展を促した3大のアーティストの1人と見なされている。

『パラシュート・ラット』は2003年にオーストリアのメルボルンで制作したバンクシーのグラフィティ作品の1つ。 2010年4月26日、メルボルンにいくつかあるバンクシーの作品の1つが、議会から派遣された清掃業者に塗り潰され、地元や国際的的な報道機関において、ストリート・アートの性質や保存・保護するための新しい対策などの議論を導くことになった。2012年5月にもほかの作品が偶発的な事故で破壊された。2015年時点ではまだ1つ残っている。

『奴隷労働』は2012年にバンクシーによって制作されたグラフィティ作品。122 cm ×152 cm。2012年5月、ロンドンのウッドグリーンにある1ポンドショップ「パウンドランド」脇の壁に描かれたものである。 ユニオンジャックの模様が描かれた万国旗をミシンで縫っている子どもの絵である。この作品は2012年のロンドン・オリンピック記念品やダイヤモンド・ジュビリーを製造するために労働作者する人たちへの抗議的な意味が含まれている。 2013年2月、作品は除去されアメリカ、マイアミで開催されたアート・オークションで競売にかけられた。ウッド・グリーンの住民の要請でアメリカでの売却はとりけされ、イギリスで売買されることになり、ロンドン、コヴェント・ガーデンのオークションでで120万ドルで売買された。

『爆弾愛』は2003年にバンクシーによって制作されたプリント作品。戦争と愛という二項対立を探求したバンクシー初期の象徴的な作品。ポニーテールの無垢な少女が爆弾(軍用機用の爆弾)をクマのぬいぐるみのように抱いている絵である。 もともと壁に描かれたグラフィティ作品で2003年にイースト・ロンドンの壁に描かれた。同年に限定150枚の署名入りプリント版と600枚の未署名版が作られた。サイズは50cm × 70 cm。 バンクシーは何年もかけて壁、キャンバス、カードボードなどさまざま媒体にステンシル形式で異なるフォーマットの『爆弾愛』作品を描いている。

『シリア移民の息子』は2015年に制作されたバンクシーの壁画作品。本作は留学移民としてアメリカに滞在していたシリア移民の息子のスティーブ・ジョブズを描いたものである。 ジョブズは黒いタートルネックにジーパン、丸メガネのいつものジョブズ・ファッションで、手にはオリジナルのマッキントッシュ・コンピュータと荷物を持って立っている。この造形は2006年に写真家のアルバート・ワトソンによって撮影された写真で、のちにウォルター・アイザックソンによる伝記『スティーブ・ジョブズ』のカバーとして使われていることでよく知られる。 2015年12月、バンクシーは移民危機をテーマにしたいくつかのグラフィティ作品を制作していることが明らかになっている。その中のひとつが本作である。

『子猫』は2015年初頭ころにバンクシーによって制作されたグラフィティ作品。2014年夏、7週間におよぶイスラエルの軍事攻撃の受け廃墟化したガザ地区の家の壁に描かれている。 バンクシーは廃墟になったガザ北部ベイトハヌーンを訪れ、現地の様子を撮影し、またいくつかグラフィティ作品を制作している。『子猫』はそうした状況で制作された作品の1つである。

『アート・バフ』は2014年にバンクシーによって制作されたグラフィティ作品。イギリスのフォークストンにある壁に描かれ、バンクシーによれば「フォークストーン・トリエンナーレの一部のようなもの」だという。 作品名の「buff」は、グラフィティ業界のスラングで「化学薬品やその他の器具で塗りつぶされたグラフィティ作品」のことを意味する。 本作品では、ヘッドフォンを付けた女性が台座をじっと見つめており、描かれた台座の上には塗りつぶされたグラフィティのあとが置かれている。

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